【歯科医師が解説】マウスピース矯正のデメリットと対策|後悔しないための選び方

【歯科医師が解説】マウスピース矯正のデメリットと対策|後悔しないための選び方

近年、マウスピース矯正を希望される患者さんが増えています。透明で目立ちにくく、取り外しができる便利さから人気が高まっていますが、「本当に自分に合っているのか」「デメリットはないのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

マウスピース矯正は正しく理解して選べば、快適に美しい歯並びを目指せる治療法です。しかし、デメリットを知らずに始めてしまうと「こんなはずじゃなかった」と後悔することもあります。

この記事では、千代田区の歯医者、市ヶ谷番町歯科クリニックが、マウスピース矯正のデメリットとそれぞれの具体的な対策方法を詳しく解説します。後悔しないための選び方もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

1. マウスピース矯正とは?基本的なしくみと特徴

1.1. 透明なマウスピースで歯を動かす矯正方法

マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを装着して、少しずつ歯を動かしていく矯正治療です。

治療の流れとしては、まず精密な検査をおこない、現在の歯並びから理想の歯並びまでの移動をコンピューターでシミュレーションします。そのシミュレーションをもとに、段階的に形の異なるマウスピースを複数枚作製し、約1週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら歯を動かしていきます。

歯磨きと食事の時間を除く1日24時間の装着が必要ですが、取り外しが可能なため、日常生活への影響を最小限におさえながら矯正治療を進められるのが特徴です。

マウスピースを手に持って微笑む女性の口元

1.2. ワイヤー矯正との違いとマウスピース矯正が選ばれる理由

従来のワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を接着し、ワイヤーを通して歯を動かします。一方、マウスピース矯正は取り外し可能な透明なマウスピースを使用します。

マウスピース矯正が選ばれる理由には、以下のようなものがあります。

  • 装置が透明で目立ちにくい
  • 取り外しができるため食事制限がない
  • 歯の清掃がしやすく、虫歯・歯周病のリスクを下げられる
  • 金属を使わないのでアレルギーの心配が少ない
  • 通院回数が比較的少なくて済む

特に接客業や人前に出る機会が多い患者さんにとって、周囲に気づかれずに矯正治療ができる点が大きな魅力となっています。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の比較

1.3. マウスピース矯正に向いている歯並びのタイプ

マウスピース矯正は、すべての歯並びに適用できるわけではありません。比較的軽度から中等度の症例に適しています。

向いている歯並びの例としては、以下が挙げられます。

  • 軽度のでこぼこした歯並び(叢生)
  • すきっ歯(空隙歯列)
  • 軽度の出っ歯(上顎前突)
  • 軽度の受け口(下顎前突)
  • 前歯のかみ合わせが深い(過蓋咬合)

ただし、重度の骨格的なずれがある場合や、歯を大きく動かす必要がある場合は、ワイヤー矯正のほうが適していることもあります。市ヶ谷番町歯科クリニックでは、精密な検査をおこなったうえで、患者さん一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。

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2. マウスピース矯正の7つのデメリット

2.1. 【デメリット①】装着時間を守らないと効果が出にくい

マウスピース矯正でもっとも重要なのが、食事と歯磨きの時間を除いた1日20〜22時間以上の装着時間を守ることです。

マウスピースは取り外しができる反面、装着時間が短いと計画どおりに歯が動きません。食事や歯みがき以外の時間は基本的に装着する必要があり、装着時間が不足すると治療期間が延びたり、思うような結果が得られなくなる可能性があります。

特に外出が多い方や、つい外してしまいがちな方は注意が必要です。

居酒屋でビールを飲むサラリーマン

2.2. 【デメリット②】適応できる症例に限りがある

マウスピース矯正は万能ではなく、対応できる歯並びに限りがあります。

重度のでこぼこや、大きく歯を動かす必要がある症例、骨格的な問題が大きい場合などは、マウスピース矯正だけでは効果が十分得られないことがあります

また、抜歯が必要な矯正や、歯を大きく回転させる必要がある場合も、ワイヤー矯正のほうが確実に治療できるケースが多いです。

2.3. 【デメリット③】食事のたびに取り外す手間がかかる

食事をするたびにマウスピースを取り外し、食後は歯みがきをしてから再装着する必要があります。

外食が多い方や、仕事の合間に間食をする習慣がある方にとっては、この手間が負担に感じられることがあります。また、外出先で歯みがきができない環境では、装着のタイミングが遅れてしまうこともあるでしょう。

2.4. 【デメリット④】紛失や破損のリスクがある

マウスピースは取り外しができるため、紛失や破損のリスクがあります。

食事のときに外してティッシュに包んでおき、そのまま捨ててしまった、ペットにかまれて壊れてしまったという事例も少なくありません。

マウスピースを紛失したり破損したりすると、作り直しに時間と費用がかかり、治療計画に遅れが生じる可能性があります

インビザラインとアライナーケースと歯ブラシと歯磨き粉

2.5. 【デメリット⑤】歯の動きが遅いと感じる場合がある

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて歯にかける力が弱く、ゆっくりと歯を動かしていきます。

そのため、人によっては「なかなか歯が動いている実感がない」と感じることがあるかもしれません。特に治療の初期段階では、見た目の変化が分かりにくいこともあります。

ただし、無理な力をかけずに歯を動かすため、痛みが少ないというメリットでもあります

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2.6. 【デメリット⑥】自己管理が治療成功のカギになる

マウスピース矯正は、患者さん自身の自己管理能力が治療の成否を左右します。

装着時間を守る、マウスピースを清潔に保つ、決められた期間で新しいマウスピースに交換するなど、患者さんご自身の協力が不可欠です。

ワイヤー矯正のように装置を歯科医院で管理してもらう治療とは異なり、日々の管理は患者さんにゆだねられます。

2.7. 【デメリット⑦】費用が高額になるケースもある

マウスピース矯正の費用は、歯科医院や症例の難易度によって異なりますが、一般的に50万円から100万円程度かかります。

特に全体矯正の場合は、ワイヤー矯正と同程度か、場合によってはそれ以上の費用がかかることもあります。また、治療期間が延びたり、追加のマウスピースが必要になったりすると、予定よりも費用が増えることもあります。

市ヶ谷番町歯科クリニック

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3. デメリットを解決!マウスピース矯正を成功させる対策

3.1. 装着時間を確実に守るための習慣づくり

装着時間を守るためには、日常生活のなかでマウスピースをつける習慣を確立することが大切です。

スマートフォンのアラーム機能を使って装着時間を管理したり、専用のアプリで記録をつけたりすると効果的です。また、マウスピースを外す時間を最小限にするため、食事の時間を決めて規則正しい生活を心がけることも有効です。

最初は大変に感じても、数週間続けると自然と習慣になります。当院の患者さんでは、規則正しい食生活が習慣付き、虫歯や歯周病のリスクが減ったり、ダイエット効果があった方が多くいらっしゃいます。

レストランでインビザラインのアライナーを外す女性

3.2. 事前の精密検査で自分に合った治療法を選ぶ

マウスピース矯正が自分の歯並びに適しているかどうかは、精密な検査をおこなわなければ判断できません。

レントゲン撮影や口腔内スキャン、顔貌の写真撮影などをおこない、歯並びや骨格、かみ合わせの状態を総合的に診断します。市ヶ谷番町歯科クリニックでは、患者さんの症例に合わせて、マウスピース矯正が適しているかどうかを正直にお伝えしています

場合によっては、ワイヤー矯正や、大学病院での治療をご提案することもあります。

3.3. 紛失・破損を防ぐ管理方法と保管のコツ

マウスピースを紛失したり破損したりしないためには、専用のケースに必ず保管することが基本です。

食事のときに外したマウスピースをティッシュに包んだり、テーブルに直接置いたりすると、誤って捨ててしまったり、変形させてしまったりする原因になります。

また、熱に弱い素材のため、熱湯消毒や直射日光の当たる場所での保管は避けるようにしましょう。常に専用ケースを持ち歩き、外したらすぐにケースに入れる習慣をつけることが大切です。

3.4. 定期的な通院で歯の動きをしっかりチェック

マウスピース矯正中は、定期的に歯科医院に通院して、歯の動きや装置の状態をチェックしてもらうことが重要です。

通常は1〜3か月に1回程度の通院が目安ですが、この通院を怠ると、計画どおりに歯が動いていなかったり、問題が生じていたりしても気づけません。

定期的なチェックにより、必要に応じて治療計画を調整したり、トラブルを早期に発見して対処したりできるため、治療をスムーズに進められます

患者の口の中をチェックする歯科医師

3.5. 費用をおさえるための医院選びと支払いプラン

マウスピース矯正の費用は歯科医院によって異なるため、十分に調べることをおすすめします。

ただし、費用だけで選ぶのではなく、治療の質や歯科医師の経験、アフターフォローの内容なども総合的に判断することが大切です。矯正治療中のクリーニングや、虫歯になってしまった際の治療がどのようになるか確認しておくと安心です。

また、多くの歯科医院ではデンタルローンや分割払いに対応しています。無理のない支払いプランを選ぶことで、経済的な負担を軽減しながら治療を受けられるでしょう。

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4. 後悔しないマウスピース矯正の選び方|5つのチェックポイント

4.1. 経験豊富な歯科医師がいる医院を選ぶ

マウスピース矯正の仕上がりは、歯科医師の技術や経験に大きく左右されます。

マウスピース矯正の症例数が多く、矯正治療の専門的な知識を持った歯科医師がいる医院を選ぶことが重要です。ホームページや口コミなどで、歯科医師の経歴や実績を確認するとよいでしょう。

市ヶ谷番町歯科クリニックでは、歯科医師の経験はもちろんのこと、法人内のドクターで適宜治療計画を確認し合うチーム医療で、患者さんにとって最適な治療の提供を常に目指しています

女性歯科衛生士と男性歯科医師

4.2. 無料相談やシミュレーションを活用する

多くの歯科医院では、マウスピース矯正の無料相談をおこなっています。

市ヶ谷番町歯科クリニックの無料相談では、歯並びの状態を確認し、治療が可能かどうか、おおよその治療期間や費用の目安などをお伝えいたします。また、デジタル口腔内スキャナーで歯型を取り、3Dシミュレーションで現在の歯並びや噛み合わせの状態を見ることができます。

ご自身のお口の中のの状態を3Dデータで見ながら説明を受けることで、現状が把握しやすく、モチベーションも高まります。治療への不安も軽減されるでしょう。

アイテロを使って3Dデータで噛み合わせを確認
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4.3. 治療計画の説明がていねいでわかりやすいか確認

治療を始める前に、治療計画についてくわしく説明してもらえるかどうかも重要なポイントです。

治療期間、通院頻度、費用の内訳、起こりうるリスクなどを、わかりやすく説明してくれる歯科医院を選びましょう。質問にもていねいに答えてくれて、納得したうえで治療を始められる環境が理想です。

4.4. アフターフォローや保証制度の充実度をチェック

マウスピース矯正は、治療が終わったあとの保定期間も大切です。せっかく整えた歯並びは、保定装置をしっかりとつけなければ後戻りしてしまいます

保定装置の費用が治療費に含まれているか、保定期間中のフォローはどのようにおこなわれるか、マウスピースが破損したときの保証があるかなどを確認しておきましょう。

治療後のサポート体制がしっかりしている医院を選ぶことで、安心して治療を受けられます。

鏡で口元や歯を見る女性

4.5. 口コミや実績を参考に信頼できる医院を見極める

実際にその歯科医院で治療を受けた患者さんの口コミや評判も参考になります。

インターネット上のレビューサイトやSNSなどで、治療の満足度やスタッフの対応、院内の雰囲気などをチェックしてみましょう。ただし、口コミはあくまで参考程度にとどめ、実際に足を運んで自分の目で確かめることも大切です。

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5. マウスピース矯正のメリットも知っておこう

5.1. 目立たず周囲に気づかれにくい

マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が透明で目立ちにくい点です。

近くで見てもほとんど気づかれないため、仕事や学校、プライベートでの人間関係に影響を与えずに矯正治療ができます。見た目を気にせず、自信を持って笑顔でいられることは、日常生活において大きなメリットです。

5.2. 取り外しができて食事や歯みがきがしやすい

マウスピースは自分で取り外せるため、食事のときは普段どおりに好きなものを食べられます。

ワイヤー矯正のように、装置に食べ物が詰まる心配や、硬いものや粘着性のあるものを避ける必要がありません。また、歯みがきも装置を外しておこなえるため、口のなかを清潔に保ちやすく、むし歯や歯周病のリスクを減らせるでしょう。

歯磨きをする女性の口元

5.3. 金属アレルギーの心配がない

マウスピース矯正は、金属を使わないプラスチック製の装置です。

金属アレルギーがある患者さんでも安心して治療を受けられます。また、金属の装置による口のなかの違和感や、口内炎ができるリスクも少ないため、快適に治療を続けられるでしょう。

5.4. 通院回数が比較的少なくて済む

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて通院回数が少ないのも特徴です。

ワイヤー矯正では月に1回程度の調整が必要ですが、マウスピース矯正では1〜3か月に1回程度の通院で済むことが多いです。仕事や学校が忙しく、頻繁に通院するのが難しい患者さんにとって、時間の負担が少ないというメリットがあります。

市ヶ谷番町歯科クリニックでは、マウスピース矯正の中で最も症例数が多く、世界中で約2,000万人(2025年4月末時点)の患者さんが治療を受けている「インビザライン」を採用しています。

累計症例1,000件を超える知見とチーム医療で、常に患者さんそれぞれにとって最適な治療の提供を目指しています。ご不明点やご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

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6. まとめ|正しい知識と対策で理想の歯並びを手に入れよう

マウスピース矯正には、装着時間の管理や症例の制限、紛失のリスクなど、いくつかのデメリットがあります。しかし、それらのデメリットは事前にしっかりと理解し、適切な対策を取ることで十分に解決できます

大切なのは、信頼できる歯科医院で精密な検査を受け、自分の歯並びに合った治療法を選ぶことです。マウスピース矯正が適している場合もあれば、ワイヤー矯正や他の方法が適している場合もあります。

市ヶ谷番町歯科クリニックでは、患者さん一人ひとりの歯並びや生活スタイルに合わせた最適な矯正治療をご提案しています。無料相談も実施していますので、マウスピース矯正に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

正しい知識を持って治療を選べば、理想の美しい歯並びを手に入れることができます。あなたの笑顔がもっと輝くよう、私たちが全力でサポートいたします。

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